「なにそれ?」
自分の経験は四半世紀以上前のことなので、昨年母親になった姪に最近の出産祝いについて尋ねた時のことだ。「もらって嬉しかったのはなに? いらないものはなかった?」。彼女がいろいろ話してくれたなかに初めて聞くものがあった。おむつケーキだ。早速検索してみて、驚いた。出てくる出てくる……。うわー、なんじゃこりゃ、いら〜んっ!
「紙おむつは絶対使うから助かるよ」と姪。それはわかる。私もいただいて「気がきいている!」と感激した記憶がある。でもそれは熨斗のかかった大きなダンボールにみっしりと詰まって届いた。消耗品に似合う、そしてくすっと笑える荷姿だった。それがこんな派手なデコレーションで……。
「ダンナの同僚や友達一同からもらうことが多かったよ。たぶん、奥さんの好みまでわかんなくて何あげるか悩んで、これだったら使うしいいんじゃない、って選んだと思う。最近は自分で作る人もいて、すごくよくできてて驚くよ」。姪は「同世代だとお祝いも続くし、予算もある。価格帯もちょうどいいんだと思う」と続ける。それはよくわかる。しかしおむつケーキが素敵とは思えない。ダンナの同僚にはなりたくない。私はへそ曲がりな年寄りになったということなのか。恵方巻きもハロウインも気に入らないので、薄々自覚はあった。でもそれ以外の、姪が嬉しかったお祝いは、私もなるほどと思うラインナップだった。服、おもちゃ、そしてタオル。どれも定番だが、それぞれ選ぶポイントがあることにも気づかされた。
遊びや食事だけでなく、お手伝いしたい気持ちになった時にも着せてあげたい「こどもエプロン」。『エプロンメモ』の挿画のプリント生地を使用。ベビー¥3,996・キッズ¥4,212の2サイズ。
例えば服は生まれてすぐのものより、70㎝以上のサイズがいいのだと言う。「新生児用は出産前に準備しているけれど、その後買いに行く時間の余裕もないから助かったし、この服が着られるまで大きくなったんだ、とも思えて」。もう一つ付け加えるなら夏用か冬用かも大事。どんどん大きくなるから季節が合わなくて活用できず、写真だけ撮ってお礼に送ったケースもあったそう。
なら、ひのき、とち、ほお、さくら、けやき…12種類ほどの樹種でつくり、それぞれに名前が焼印されている「寄木の積木」。木のミニ図鑑付き。¥12,960
おもちゃなら、若いママやパパには欲しいけれど買いづらい、少し高額のものが喜ばれるようだ。その筆頭が木のつみきで、姪はまさに「寄木の積木」を同僚一同からいただいていた。職場が保育園なので、姪も同僚もこどもたちがつみき好きなこともシンプルな木片から多様な遊びを生み出すことも知っている。
「しかもこれはひとつひとついろんな木でできていて、重さも香りも木肌も違うの。家にいながら森林浴できる感じ」。そうなのだ、木のつみき自体は定番だけれど、これは今の時代にあったものに進化している。赤ちゃんだけでなくママやパパも喜ばせられるならそれに越したことはない。
「キツツキの子どもつみき」。こちらはピース数も多く、カラフルなのも嬉しい。飛騨の木工職人が丁寧に作っている。¥18,900
グリーンショップのカタログを一緒に見ていて姪が「これもいいな」とひかれていた「身長計バスタオル」にも、やさしいアイディアが織り込まれている。 「娘の身長を知りたくともじっとしていないので難しくて。でもこれならお昼寝中やお風呂上りにささっと計測できそうだね」。そう言う新米ママに「いちいち気にせずともそのうち大きくなるよ」と言えるのは今でこそ、だ。私も母子手帳の成長グラフの上限下限を気にしていたし、体重が増えても増えなくても心配だったじゃないか。あの時これがあったら嬉しかったに違いない。確か子どもはこの前1歳になったはず。これ、おばちゃんが買ったげよう。
動物と100㎝までの目盛りを織り込んだ「身長計バスタオル」。柔らかな肌触り。写真のオフホワイトのほか、マリン、コーラルの3色。各¥5,184
しかし「そうそうこの前1歳のお祝いをしたよ」と彼女が見せてくれたスマホの写真はあまりに衝撃的で、思い出に浸っていた私を愕然とさせた。両家のじじばばが集結してリュックを背負う孫をとり囲み、にこやかに見守っている写真だ。お受験の塾にも通えそうなチェック柄のリュックだ。 文 田中真理子
「え? もしかしてこの中に一升餅が入っているの?」「そうだよ、セットになってるの」。こわごわ「一升餅・リュック」で検索したら、出てくる出てくる……。へそ曲がりと言われてもいい、ここはやはり風呂敷でお願いしたい。
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