摘果作業を体験できるからおいでよ、と誘っていただいたのは国造ゆずの価値を10年も前から発信し続けていた地元のボランティアクラブの皆様。国造ゆずの楽しみ方を会員とともに模索してきていたというので参加してきました。
青ゆずの摘果とは、出来のいいゆずをより良くするために小さいものをあえて間引く作業です。収穫2ヶ月程前のわずかな期間で行うため、この摘果した青ゆずは少量で一般に出回ることはないそうですが、農家さんはこの青ゆずを使ってちょっとした楽しみがあると教えてくれました。
早速、摘果作業を開始。すぐにゆず畑一帯にゆずの香りが広がります。ちょっと酸っぱいフレッシュな感じのする香りですが、この香りもこの時期にしか楽しめない贅沢な体験です。この青ゆずをとても楽しみにしているというゆず農家のひとりにお話を伺いました。おもむろにゆず畑の縁でかがんで何かをむしり取り、これこれと私に見せてくれました。あれ?青い唐辛子。なんでゆず畑の縁のこんなところに?答えは簡単。摘果した青ゆずを使って「ゆずこしょう」を作るためにこっそり育てているのだそう。「このゆず団地は農薬を使わないからゆず畑の縁で育てると唐辛子も無農薬!」とちょっと照れながらも自慢げに話す農家さん。これをすり鉢で潰して青ゆずの皮をおろし金で摩り下ろし最後に塩をまぶせばゆず畑特製の簡単“無農薬ゆずこしょう” のできあがり。自宅で育てる夏野菜にちょっとつけて焼酎で一杯やるのが楽しみなんだとか。なんともクールで素敵な楽しみ方。秋の収穫の次に楽しみなのがこの青ゆずの「ゆずこしょう」で楽しむ一杯だそうで、実り秋のときはどんな楽しみ方をするのかと今から期待に胸膨らむ摘果体験となりました。
能美市国造地区ゆたかなくらし協議会
コーディネーター 森 進太郎
(さんのきファクトリー・代表)